今回は入管(出入国在留管理庁)が公開している、
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について(令和6年2月版)
の資料を用いていきます。
まず緑色の枠を見ていきましょう。
1 行おうとする活動が申請に係る入管法別表に掲げる在留資格に該当すること
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に該当する活動は、入管法別表第一の二の表の技術・人文知識・国際業務の項の下欄において、「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(一の表の教授の項、芸術の項及び報道の項の下欄に掲げる活動並びにこの表の経営・管理の項から教育の項まで、企業内転勤の項から興行の項の下欄に掲げる活動を除く。)」と規定されています。
では、水色の枠の中を見ていきましょう。
こちらは技術・人文知識・国際業務の在留資格(ビザ)の取得条件に大きく関わってきます。
(1)本邦の公私の機関との契約に基づくものであること
と記載されています。
本邦の公私の機関…分かりづらい言葉ですね…。
これも普段の生活に馴染みのない言葉であり、表現だと思います。
本邦の、とは『日本』のことです。
公私の、とは『公共のものも公共のものでないもの』のことです。
機関、とは会社、国、地方公共団体、独立行政法人など多くのものを含みます。
つまり…、本邦の公私の機関とは…、
会社、国、地方公共団体、独立行政法人、公益法人等の法人のほか、任意団体(ただし、契約当事者としての権利能力はありません。)も含みます。
また、本邦に事務所、事務所等を有する外国の国、地方公共団体(地方政府を含む。)、外国の法人等も含まれ、さらに個人であっても、本邦で事務所、事業所等を有する場合は含まれます。
(2)「自然科学又は人文科学の分野に属する技術又は知識を要する業務」又は「外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務」に従事する活動であること
では、さらに話を進めましょう。
(2)「自然科学又は人文科学の分野に属する技術又は知識を要する業務」又は「外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務」に従事する活動であること
に注目していきます。
アとイとウ、順番に見ていきましょう。
まずはアです。
自然科学の分野には、理学、工学のほか、農学、医学、歯学及び薬学が含まれます。
また、人文科学の分野には、法律学、経済学、社会学のほか、文学、哲学、教育学、心理学、史学、政治学、商学、経営学等が含まれます。
あまり聞きなれない〇〇学もあると思いますが、技術・人文知識・国際業務はかなり広範な学問に認められている在留資格(ビザ)と言えます。
そしてその多くの学術に対し、
いずれの場合も、前提として、学術上の素養を背景とする一定水準以上の専門的能力を必要とする活動でなければなりません。
一般的に、求人の際の採用基準に、「未経験可、すぐに慣れます。」と記載のあるような業務内容や、後述の上陸許可基準に規定される学歴又は実務経験に係る要件を満たしていない日本人従業員が一般的に従事している業務内容は、対象となりません。
と記載されています。
つまり…、
大学や短大、専門学校で履修した科目の専門知識を利用する業務内容が対象となります。
次はイです。
外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務とは、単に外国人であるだけでなく、日本国内の文化の中では育てられないような思考又は感受性に基づく一定水準以上の専門的能力を持って、その能力を要する業務に従事するものであることが必要です。
記載されています。
つまり…、翻訳、通訳、語学の指導、海外取引業務等が対象業務です。
ウについて説明いたします。
行おうとする活動が、「技術・人文知識・国際業務」に該当するものであるか否かは、在留期間の活動を全体として捉えて判断することになります。
したがって、例えば、「技術・人文知識・国際業務」に該当すると認められる活動は、活動全体として見ればごく一部であり、その余の部分は「技術・人文知識・国際業務」に該当するとは認められない、特段の技術又は知識を要しない業務や、反復訓練によって従事可能な業務を行う場合には、「技術・人文知識・国際業務」に該当しないと判断されます。
また、行おうとする活動に「技術・人文知識・国際業務」に該当しない業務が含まれる場合であっても、それが入社当初に行われる研修の一環であって、今後「技術・人文知識・国際業務」に該当する業務を行う上で必ず必要となるものであり、日本人についても入社当初は同様の研修に従事するといった場合には、「技術・人文知識・国際業務」に該当するものと取り扱っています。
実務研修に係る取扱いの詳細は別紙1の通りです。
と記載されています。
(1)自然科学又は人文科学の分野に属する技術又は知識を必要とする業務に従事しようとする場合
(1)自然科学又は人文科学の分野に属する技術又は知識を必要とする業務に従事しようとする場合についてです。
とっても大切です。
次の2つの場合があります。
ア 従事しようとする業務に必要な技術又は知識に関連する科目を専攻して卒業していること
イ 10年以上の実務経験があること
上のアかイのどちらかに該当しなければ、技術・人文知識・国際業務の在留資格(ビザ)の許可が出ることはありません。
そして、
アの従事しようとする業務に必要な技術又は知識に関連する科目を専攻して卒業していること
で、技術・人文知識・国際業務の在留資格(ビザ)の許可を得る場合がほとんどです。
イの10年以上の実務経験があること
で、技術・人文知識・国際業務の在留資格(ビザ)の許可を得る場合はほとんどありません。
従事しようとする業務に必要な技術又は知識に係る科目を専攻していることが必要であり、そのためには、大学・専修学校において専攻した科目と従事しようとする業務が関連していることが必要になります。
アの業務との関連性について
それでは、アの業務との関連性について詳しく説明していきます。
申請外国人が修めた科目と実際に行う業務との関連性がなければ、入管の申請で許可が出ることはまずありません。
絶対に関連性が必要です。
まず、大学、高等専門学校、専修学校の3種類が主な卒業校の形式になります。
普段よく聞く『専門学校』は、専修学校で、『高専』が高等専門学校なので注意しましょう。
大学(短期大学を含む)ですが、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とし、また、その目的を実現するための教育研究を行い、その成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与するという大学の性格を踏まえ、大学における専攻科目と従事する業務の関連性については、従来より柔軟に判断されます。
海外の大学についてもこれに準じた判断がされます。
そして高等専門学校(高専)も、一般科目と専門科目をバランスよく配置した教育課程により、技術者に必要な豊かな教養と体系的な専門知識を身につける機関であるとされており、大学と同様に、従事しようとする業務の関連性については大学に準じた判断がされます。
専修学校についてです。
専修学校は、職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、又は教養の向上を図ることを目的とされていることから、原則として専修学校における専攻科目と従事しようとする業務については、相当程度の関連性を必要とします。
相当程度の関連性、という表現をされると、専修学校である専門学校は技術・人文知識・国際業務の在留資格(ビザ)の許可を得る上で不利、と思ってしまいますよね。
ただし…、専修学校の専門課程における外国人留学生キャリア形成促進プログラムの認定に関する規程第2条に定める文部科学大臣による認定を受けた専修学校の専門課程の学科を修了した者…、つまり、『認定専修学校専門課程修了者』については、企業等と連携して実習等の授業を行っていることや、日本社会に関する理解を促進する環境が整備されていることなどを認定要件とする専門課程を修了し、質の高い教育を受けたことにより、修得した知識を応用できると考えられることから、専門科目と従事しようとする業務の関連性について、柔軟に判断されることになっています。
専修学校の専門課程を修了した者が、従事しようとする業務に相当程度関連する科目を直接「専攻」したとは認められない場合でも、履修内容全体を見て、従事しようとする業務に係る知識を習得したと認められるような場合においては、総合的に判断した上で許否の判断を行っているほか、関連性が認められた業務に3年程度従事した者については、その後に従事しようとする業務との関連性については、柔軟に判断されます。
さらに、専修学校の専門課程を修了した者については、修了していることのほか、
①本邦において専修学校の専門課程の教育を受け、「専修学校の専門課程の修了者に対する専門士及び高度専門士の称号の付与に関する規程」(平成6年文部省告示第84号)第2条の規定により専門士と称することができること、又は
②同規程第3条の規定により高度専門士と称することができることが必要です。
イの10年以上の実務経験があることについてです。
実務経験の期間には、大学等において関連科目を専攻した期間も含まれます。
また、「技術・人文知識・国際業務」に該当する業務に10年従事したことまでを求めるのではなく、関連する業務に従事した期間も実務経験に含まれます。
でも…、実務経験10年での「技術・人文知識・国際業務」の在留資格(ビザ)の取得は…。
大学等で専攻した科目も含まれるとのことですが、そもそも中退(途中で退学)するよりは卒業していることがほとんどです。
そうなると…、実務経験だけで10年、というパターンの方が多そうですが、日本もそうですが、海外も大きな企業でないときちんと在職証明書とかを発行してくれるとは考えにくいです…。
既に倒産していたら、証明のしようもないですし、現実的に申請まで結びつきにくいことが多いです。
証明の困難さから、「技術・人文知識・国際業務」は実務経験組の例はほとんどなく、学校卒業組が申請の大部分を占めると思います。
今回は水色の四角までの紹介といたします。
電話が得意な行政書士事務所です
行政書士葛飾江戸川総合法務事務所は、電話が得意な行政書士事務所です。
電話は本当に便利ですよね。
皆様の実際の表情は見えなくても、声の表情はわかりますし、遠くにいても、しっかりお声は聞こえます。
弊所は『移動中以外』はヘッドセットをしながら通話いたしますので、
・会話しながら皆様のお話のメモを取る
・会話しながらパソコンで調べたり確認する
ことができます。
皆様のお話を伺うことに集中し、皆様のお話が終わった後にご提案させていただきます。
電車でいらっしゃる方はよくお読みください
概要
店舗名 | 行政書士葛飾江戸川総合法務事務所 |
---|---|
住所 | 東京都葛飾区東水元4丁目11−40 |
電話番号 | 070-3892-7581 |
営業時間 | 9:00〜19:00 |
定休日 | 土日祝 |
最寄り駅 | JR金町駅、京成金町駅 |
オンライン申請希望者の方向け案内 | 書類の授受は郵送、Eメール、LINE 連絡は、電話、Eメール、LINE、MEET等のテレビ電話 北は北海道から、南は沖縄県まで申請実績あり |
主な業務と実績 | 主に登録支援機関と連携して、建設業をメインに特定技能の申請を行っています。 その他は技術・人文知識・国際業務の在留資格(ビザ)の申請など、法人の取引先が多い行政書士事務所です。 入管の申請、外国人就労管理システム(建設特定技能受入計画)、建設キャリアアップシステム登録でしたら、オンライン申請対応可の事務所ですので、全国の入管、地方整備局への申請実績があります。 入管は130名以上の許可実績、外国人就労管理システム(建設特定技能受入計画)は160以上の認定実績(新規、変更合わせて)があります。 まずは皆様のお話をお聞かせください。 しっかり伺い、適法で安全なご提案をさせていただきます。 |
アクセス
電車でいらっしゃる方は、JR金町駅か京成金町駅が最寄り駅になります。
そこから、JR金町駅の南口のバス停の4番乗り場からバスにご乗車ください。
12分ほど乗車し、水元4丁目のバス停で下車し、そこから徒歩で約3分になります(駅から遠くて申し訳ございません…)。
オンライン申請で全国対応
・建設特定技能受入計画(外国人就労管理システム)
・入管への申請
どちらもオンライン申請対応事務所で全国の法人様とお取引をしております。
書類の送受信は、Eメール、LINE、レターパックで対応しています。
建設特定技能受入計画(外国人就労管理システム)の実績
2025年1月現在で180の認定実績(新規、変更含む)があります。
北海道開発局
東北地方整備局
関東地方整備局
北陸地方整備局
中部地方整備局
近畿地方整備局
中国地方整備局
四国地方整備局
九州地方整備局
での認定実績があります。
入管での申請実績
2025年1月現在で133人の申請実績があります。
札幌入管
仙台入管
東京入管
東京入管横浜支局
名古屋入管
大阪入管
広島入管
高松入管
福岡入管
福岡入管沖縄支局
で許可実績があります。
この度は弊所のページを閲覧いただき、ありがとうございました。
行政書士葛飾江戸川総合法務事務所の糠信 一善(ぬかのぶ かずよし)です。
今回は、
技人国の在留資格(ビザ)の取得
について紹介させていただきました。
技術・人文知識・国際業務の在留資格(ビザ)ですが、ガイドラインを見るとどういう仕組みになっているかがわかります。
技術・人文知識・国際業務の在留資格(ビザ)の外国人を雇う企業の経営者や人事の方は一読して損はない内容です。
わたくしは当然ながら定期的に音読して読み返しています。
皆様のお役に立てるよう精進いたします。
弊所の特徴についてです。
1 話しやすい事務所(三菱UFJ銀行での勤務時代、表彰経験あり)
2 スピードも意識しますが、不許可や入管からの追加資料の提出依頼が来ないよう、丁寧にしっかり固めて申請
を心がけています。
なお、
「先生これくらいごまかしてよ。」
「これくらい嘘入れても大丈夫でしょ?」
といった…、法に触れる手続きや申請には一切手を貸しませんのでご了承ください。
きちんとリーガルチェックを行い皆様を安全に、そして安心して本業に専念できるよう尽力いたします。
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